長野県立木曽病院マスコットキャラクター きそっぴい

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長野県立木曽病院地方独立行政法人 長野県立病院機構長野県立木曽病院

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病院長挨拶

ごあいさつ

院長

 令和7年度を迎え、ご挨拶を申し上げます。

 木曽病院が属する地方独立行政法人長野県立病院機構は発足からこの4月で16年目を迎えました。設立団体である長野県から示された第4期中期目標(令和7年度~11年度)では当院が担うべき医療等の提供について、「木曽地域唯一の入院機能を持つ医療機関として、へき地における急性期機能の維持と回復期・慢性期機能を充実させるとともに、地域の医療ニーズに適応した外来・在宅医療を提供すること」となっています。

 一方、昨年12月には高齢化と人口減少がさらに進む2040年とその先を見据えた「新たな地域医療構想に関するとりまとめ」が厚生労働省から公表され、入院だけではなく外来医療や在宅医療を含めた医療提供体制が必要であり、医療機関機能は新たに次の4つ(①高齢者救急・地域急性期機能 ②在宅医療等連携機能 ③急性期拠点機能 ④専門等機能)に集約されました。中期目標にもあるように、当院の担うべき機能は、今後も「高齢者救急・地域急性期機能」「在宅医療等連携機能」の2つであると考えております。

 令和7年2月木曽医療圏地域医療構想調整会議で、令和8年度から当院における分娩体制の維持が困難になることを報告しました。その後、長野県、木曽広域連合、当院の主催で住民説明会も開催させていただきました。多くの皆さんにご出席いただき、貴重なご意見等を賜りましたことを、厚く御礼申し上げます。分娩医療機関としての使命は安心安全な分娩体制を提供することであります。しかし、大変残念ながら令和8年度以降はその体制を維持できないことから、苦渋の決断をさせていただいたという次第でございます。引き続き、当院でも妊婦健診の継続、産後ケアの拡充を実施していきますので、皆様のご理解をいただければと思います。

 木曽郡の住民基本台帳人口は令和7年1月には24,000人を下回り、65歳以上の高齢化率は44%を超えています。人口減少と高齢化は今後も確実に進んでまいります。これまでも当院の医療提供体制は段階的に縮小を余儀なくされてきました。2005年からは脳神経外科医師、2016年からは循環器内科医師が非常勤体制となりました。また、現在は脳神経内科の体制により急性期の脳疾患の入院を受け入れられない状況です。広大な面積を有する木曽郡唯一の有床医療機関として、人材も含め限られた医療資源のもとで、当院が今後も担っていくべき医療機能は何かを真剣に模索していくべき段階にあると考えております。

 木曽圏域の救急医療体制について改めて紹介します。入院治療を必要とする休日・夜間の救急患者に対する「二次救急医療」は病院群輪番制として当院が常に担っています。また、平日夜間の「初期救急医療」も救急告示医療機関として当院が担当しております。救急外来の適正利用についてはこれまでも住民の皆さんに繰り返しご理解いただくようにお伝えしてまいりましたが、残念ながら、日中は仕事があるので時間外に受診するなど、適正とはいいがたい方の受診は減少していない状況です。一昨年の病院だよりNo.135や木曽保健福祉事務所作成の「救急医療リーフレット」などももう一度ご確認いただき、住民の皆さんには、木曽圏域の限られた医療資源について一層のご理解をいただきますようお願い申し上げます。

 圏域に唯一の有床医療機関として、引き続き、当院では住民の皆さんにより一層安心していただける医療と介護の提供を継続できるように、職員一同取り組んでいく所存ですので、ご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

令和7年5月12日
長野県立木曽病院 院長
濱野 英明