令和6年度 長野県立木曽病院 病院情報の公表

病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

医療の質指標

  1. リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率
  2. 血液培養2セット実施率
  3. 広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率
  4. 転倒・転落発生率
  5. 転倒転落によるインシデント影響度分類レベル3b以上の発生率
  6. 手術開始前1時間以内の予防的抗菌薬投与率
  7. d2(真皮までの損傷)以上の褥瘡発生率
  8. 65歳以上の患者の入院早期の栄養アセスメント実施割合
  9. 身体的拘束の実施率
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 39 21 23 32 95 130 299 425 250
令和6年度長野県立木曽病院 病院情報の公表データは、日本経営「Libra」にて令和6年4月1日~令和7年3月31日までのDPCデータを集計(以下、集計方法同じ)
この表は、令和6年4月1日から令和7年3月31日の期間に一般病棟を退院した患者さんについて80歳代までは10年(歳)単位に集計90歳以上100歳代をまとめて集計したものです。
当院は、木曽医療圏で唯一の中核病院として、幼少期から高齢者まで幅広い患者さんに医療を提供しています。各年代を若年層、壮年期、老年期(65歳以上)としたときの割合は若年層4%、壮年期11%、老年期85%高齢化率が高い地域であることが分かります。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060100xx01xxxx 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 175 2.691 2.610 0.571 68.611
050130xx9900x0 心不全 手術なし 手術・処置等1:なし 手術・処置等2:なし 重症度:他の病院・診療所の病棟からの転院以外 53 18.528 17.380 1.887 88.736
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし 51 21.784 13.520 0 85.627
0400802499x0xx 肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上) 手術なし 手術・処置等2:なし 47 20.766 0 86.340
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2:なし 40 29.725 20.600 0 88.025
診療科別に患者数の多い疾患について、診断群分類コード別に示したものです。
該当患者数が10名未満の場合は、「-」で表示してあります。上位5位までの患者数が全て10名未満の場合、その診療科は掲載がありません。
令和5年度は、心不全(78)、誤嚥性肺炎(65)、腎臓または尿路の感染症(41)、胆管炎(35)、前庭機能障害(14)でした。( )内は件数。
令和6年度は、結腸、直腸良性腫瘍(175)最上位となり次いで心不全(53),腎臓または尿路感染症(51)、肺炎(47)、誤嚥性肺炎(40)となりました.平均年齢を見ると結腸・直腸良性腫瘍は60才代ですが、他は、昨年と比して差異はほとんどなく80歳代後半となっています。
当院内科では、常勤医師が主に消化器疾患、呼吸器疾患を。その他に、非常勤医師による循環器、血液内科、腎臓内科、肝臓内科など多岐に渡る医療を提供しています。
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 19 7.526 4.550 0 79.047
060210xx99000x ヘルニアの記載のない腸閉塞 手術なし 手術・処置等1:なし 手術・処置等2:なし 副傷病:なし 16 12.938 8.950 0 78.563
060035xx0100xx 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 結腸切除術 全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術等 手術・処置等1:なし 手術・処置等2:なし 11 17.091 0 73.909
060150xx99xxxx 虫垂炎 手術なし
060210xx9910xx ヘルニアの記載のない腸閉塞 手術なし 手術・処置等1:あり 手術・処置等2:なし
令和6年度も令和5年度に引き続き鼠径ヘルニア(15才以上)ヘルニア手術 ヘルニア手術 鼠径ヘルニアが最上位となりました。
患者数は昨年度より3件増加し、2位のヘルニアの記載のない腸閉塞 副傷病なしも3件増加しています。
当院では、他施設からの化学療法治療継続、消化器がん、肺がん、乳がん等の治療を地域医療の拠点として、他の医療機関と連携し医療を提供しています。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx02xxxx 股関節・大腿近位の骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 36 41.583 2.778 85.361
160690xx99xxxx 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。) 手術なし 13 28.692 19.340 0 79.923
160760xx01xxxx 前腕の骨折 骨折観血的手術 前腕、下腿、手舟状骨等 13 4.308 0 73.000
070230xx01xxxx 膝関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 12 29.750 21.960 0 78.417
160800xx01xxxx 股関節・大腿近位の骨折 観血的整復固定術(インプラント周囲骨折に対するもの) 肩甲骨、上腕、大腿
診療科別に患者数の多い疾患について、診断群分類コード別に示したものです。該当患者数が10名未満の場合は、「-」で表示してあります。
なお、上位5位までの患者数が全て10名未満の場合、その診療科は掲載がありません。
令和6年度の股関節・大腿骨近位骨折 人工骨頭挿入術が最上位となりました。患者数も3件増となっています。平均在院日数をみると41.5となっていますが、昨年48.8と比べると7日間短くなっています。当院の整形外科は、四肢骨骨折、胸腰椎骨折治療が全体の約8割となっており、平均年齢をみると8才高齢となっていました。高齢化が進む地域性が覗えます。

眼科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020110xx97xxx0 白内障、水晶体の疾患 手術あり 重症度:片眼 36 2.000 2.540 0 79.194
020320xx99xxxx 眼瞼、涙器、眼窩の疾患 手術なし
診療科別に患者数の多い疾患について、診断群分類コード別に示したものです。該当患者数が10名未満の場合は、「-」で表示してあります。
なお、上位5位までの患者数が全て10名未満の場合、その診療科は掲載がありません。
当院の眼科では、主に、白内障手術のための入院を取り扱っています。
平均在院日数は、全国平均に比して0.5日短くなっています。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110080xx991xxx 前立腺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1:あり 21 3.286 2.440 0 71.810
110070xx03x0xx 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 手術・処置等2:なし 10 7.200 6.850 0 79.100
110080xx9905xx 前立腺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1:なし 手術・処置等2:5あり
11022xxx01xxxx 男性生殖器疾患 精索捻転手術等
110080xx9903xx 前立腺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1:なし 手術・処置等2:3あり
当院の泌尿器科では、前立腺悪性腫瘍の疑いがあり前立腺悪性腫瘍の診断ための検査入院を目的したものが最上位となりました。次いで、膀胱癌の経尿道的膀胱悪性手術目的入院でした。
上位3位~5位のその他の尿路系は、10名未満であるため該当患者数を「-」で表示しています。平均在院日数は前年度に比して0.4~0.8日長くなっています。上位が悪性腫瘍に関するもので占められましたが、さらに精査が必要な場合は、患者本人・家族のご希望をお伺いしたうえで、近隣の医療機関や他の医療機関へ紹介しています。
また、悪性腫瘍に関するもの以外の尿路疾患についても医療提供を常勤医師1名非常勤医師1名の体制で医療を提供しています。



初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 14 2 0 UICCTNM分類 第8版
大腸癌 6 5 5 8 3 UICCTNM分類 第8版
乳癌 3 6 4 UICCTNM分類 第8版
肺癌 1 4 2 7 10 UICCTNM分類 第8版
肝癌 3 1 3 UICCTNM分類 第8版
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
各癌の病期分類別表示が10件未満に場合は「ー」表示をしています。
5大癌とは患者数が他のがんに比べて多く、国がに日本人に多いがんとして、がん対策のために特に気をつけなければならないとした疾患です。この表は、5大がんを患い診断・治療を始めた初発患者はUICC TNM分類第8版による病期分類の患者数です。再発患者(再発部位によらない)は2024年度の患者数です。
当院は、厚生労働省より「地域がん診療病院」に認定を受けた木曽医療圏の拠点病院です。5大癌に関わらず、近隣の診療所から当院への連携、当院から高度医療が可能な医療機関への連携をしています。
当院では主に、結腸がん、直腸がん、胃がん、乳癌の外科的(手術)治療、化学療法をおこなっています。

成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症
中等症 42 16.167 81.119
重症 18 29.111 86.722
超重症
不明
各重症度の患者数が10件未満の場合は「ー」表示になっています。
成人市中肺炎は男性70歳以上、女性75歳以上、脱水症状意識障害の有無について重症度(軽症・中等症・重症・超重症・不明)別に患者数、平均在院日数、平均年齢を表示したものです。
令和5年度は中等症34人平均年齢83.6歳の表示のみでしたが、令和6年度は中等症42人平均年齢81.1歳。患者数8人増平均年齢2.5歳低くなり、重症18人平均年齢86.7歳と昨年と比して増加しています。
市中肺炎は日常生活を一般的に暮らしてる健康な人が発症する肺炎です。その病原体も様々でウイルス性、細菌性などが該当します。
なお、誤嚥性肺炎は分類が異なるためここには含まれません。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 10 40.625 0 82.250
その他
脳梗塞の患者数発症日から「3日以内」、「その他」 を合計して10件以上になるため、両方を合計した表示になってなっています。
脳梗塞の患者数、平均在院日数、平均年齢、転院率は、発症日から3日以内、その他のを合算した表示になっています。
令和5年度度と比して、患者数が7人、平均在院日数が7日減少しています。平均年齢は1歳低くなりました。
令和6年度に3日以内に発症された患者の殆どの人が早期治療を行い、その後のリハビリにより2~3週間で退院しています。

診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 174 0.632 1.052 0.575 68.678
K6871 内視鏡的乳頭切開術(乳頭括約筋切開のみ) 24 1.417 9.750 0 80.625
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 12 0.167 10.500 0 81.500
K6852 内視鏡的胆道結石除去術(その他)
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術
診療科別主要手術別患者数等の項目の患者数が10人未満の場合は「ー」で表示します。その場合はその診療科の表示がありません。
令和5年度内視鏡的ステント留置術が最上位、次いで、内視鏡的な胆道手術の順でした。
令和6年度は内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術が大幅増となっています。次いで内視鏡的な胆道手術となっています。
当院は疾病統計でみても、消化器系疾患、呼吸器系疾患が上位を占めており、当院の内視鏡検査の結果、さらに精査を要する場合は、近隣の医療機関へ紹介し相互連携し医療を提供しています。
外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6335 鼠径ヘルニア手術 19 1.579 4.947 0 79.947
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 10 2.000 13.400 0 75.000
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術
K6262 リンパ節摘出術(長径3cm以上)
K672 胆嚢摘出術
診療科別主要手術別患者数等の項目の患者数が10人未満の場合は「ー」で表示します。その場合はその診療科または該当項目の表示がありません。
R5年度に引き続き鼠径ヘルニア手術が最上位となり、件数は2件増。平均年齢が8歳高くなりました。
平均術後日数は1日短くなっています。
当院外科では、結腸・直腸がん、甲状腺がん、肺がん、乳癌手術、造血器腫瘍の審査手術など幅広い医療を提供しています。

整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0461 骨折観血的手術(大腿) 19 1.579 4.947 0 79.947
K0462 骨折観血的手術(前腕) 10 2.000 13.400 0 75.000
K0821 人工関節置換術(膝)
K0811 人工骨頭挿入術(股)
K0483 骨内異物(挿入物を含む)除去術(下腿)
診療科別主要手術別患者数等の項目の患者数が10人未満の場合は「ー」で表示します。その場合はその診療科または該当項目の表示がありません。
当院の整形外科では、例年、高齢者の転倒による大腿骨骨折や前腕骨折が上位に位置しています。
木曽医療圏は、65歳以上の高齢化率が40%を上回っています。また、当院の年齢階級別退院患者数では、80%以上となっています。
次いで膝や股関節の人工骨頭手術となっており、いずれも平均年齢が75歳以上の後期高齢者となっています。
急性期治療後は、一般病棟から地域包括ケア病棟へ移動し、患者さんに寄り添い適切な場所へ安心して退院できるよう各部署の職員が連携してサポートしています。
眼科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ロ 水晶体再建術(眼内レンズを挿入)(その他) 36 0.000 1.000 0 79.194
診療科別主要手術別患者数等の項目の患者数が10人未満の場合は「ー」で表示します。その場合はその診療科または該当項目の表示がありません。
令和6年度当院眼科では白内障手術を主に行いました。眼科医が2名体制から1名体制となり、令和5年度(70件)に比して手術件数はほぼ半減しましたが
原則として入院当日に手術を実施しており、平均術前日数0日、平均術後日数1日は前年度と変わりなく医療を提供しています。
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8036ロ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(その他)
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術
K8412 経尿道的前立腺手術(その他)
K775 経皮的腎(腎盂)瘻造設術
K8381 精索捻転手術(対側の精巣固定術を伴う)
診療科別主要手術別患者数等の項目の患者数が10人未満の場合は「ー」で表示します。その場合はその診療科または該当項目の表示がありません。
当院の泌尿器科では、早期膀胱癌経尿道的膀胱悪性腫瘍を行っています。その他に経尿道的尿管ステント留置術、経尿道的前立腺手術
を行っています。
 また、患者さんから高度医療の希望がある場合は、信州大学医学部附属病院や近隣の医療機関と連携し医療を提供しています。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一
異なる
180010 敗血症 同一
異なる
180035 その他の真菌感染症 同一
異なる
180040 手術・処置等の合併症 同一
異なる
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症及び手術・術後の合併症の発生率)の項目の患者数が10人未満の場合は「ー」で表示します。その場合は該当項目の表示がありません。
当院では、手術・処置の前に患者・家族に発生しうる手術・処置の合併症について説明し、同意を得た上で実施しています。

リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率ファイルをダウンロード
肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが
「中」以上の手術を施行した
退院患者数(分母)
分母のうち、肺血栓塞栓症の
予防対策が実施された患者数(分子)
リスクレベルが「中」以上の手術を
施行した患者の肺血栓塞栓症の
予防対策の実施率
130 110 84.615
計算式 分母のうち、肺血栓塞栓症の予防対策が実施された患者数/肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが「中」以上の手術を施行した ×100退院患者数

指標の説明
手術後の肺血栓塞栓症を予防する目的として、対策を行っていることを表す指標です。
肺血栓塞栓症は、血栓の大きさや血流の障害の程度によって軽症から重症まで分かれています。血栓によって太い血管が閉塞してしまうような重篤な場合には、肺の血流が途絶し、酸素が取り込めなくなり、ショック状態から死に至ることもあります。
このため、危険レベルに応じた予防を講じることが推奨されており、対策として、静脈灌流を促すための弾性ストキングの着用や間欠的空気圧迫装置(足底部や大腿部にカフを装着し、空気により圧迫)の使用、抗凝固療法があります。これらの予防策は、「肺血栓塞栓症/深部静脈血栓症(静脈血栓塞栓症)予防ガイドライン(2017年改訂版)」に則り、発症のリスクレベルが「中」・「高」の手術を施行した患者が対象となります。

血液培養2セット実施率ファイルをダウンロード
血液培養オーダー日数(分母) 血液培養オーダーが1日に
2件以上ある日数(分子)
血液培養2セット実施率
527 517 98.102
計算式 (血液オーダーが1日に2件以上ある日数/血液培養オーダー日数)×100

指標の説明 
広域抗菌薬を使用する際、血液培養は1セットのみの場合の偽陽性による過剰治療を防ぐため、血流感染症(菌血症や敗血症)を診断する目的 で、新生児を含め2セットの血液培養検査(病原菌を特定する検査)2セットの実施を行うことが推奨されています。2014年度診療報酬改定から、血液を2か所から採取した場合に限り、2回算定できるようになっています。
(参考資料:JAID/JSC感染症治療ガイドライン 2017 ― 敗血症およびカテーテル関連血流感染症 )
(公益財団法人日本医療機能評価機構 医療の質向上のための体制整備事業を資料とし引用しました。)



        
広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率ファイルをダウンロード
広域スペクトルの抗菌薬が
処方された退院患者数(分母)
分母のうち、入院日以降抗菌薬処方日
までの間に細菌培養同定検査が
実施された患者数(分子)
広域スペクトル抗菌薬使用時の
細菌培養実施率
201 169 84.08
計算式 (分母のうち、入院日以降抗菌薬処方日までの間に細菌培養同定検査が実施された患者数/広域スペクトルの抗菌薬が処方された退院患者数×100

指標の説明 
(分母)
広域スペクトル抗菌薬は、細菌による感染症を治すための薬のことです。これは、多くの種類の細菌に効果があるため、早く治療をはじめたいときに役立ちます。ただし、必要以上に使うと細菌が薬に対して強くなってしまう(薬剤耐性)こともあるため慎重に判断して使用します。
(分子)
細菌培養実施は、感染症の原因菌を特定し、その菌に有効な抗菌薬を選択するためにも重要な検査です。
抗菌薬を投与する前に細菌培養検査を実施することで、病原微生物が耐性菌の場合にも効果のある抗菌薬を選択することができます。
適切な抗菌薬の使用は、耐性菌の発生や蔓延を防ぐために重要です。

転倒・転落発生率ファイルをダウンロード
退院患者の在院日数の総和
もしくは入院患者延べ数(分母)
退院患者に発生した転倒・転落件数
(分子)
転倒・転落発生率
25191 39 1.548
計算式 退院患者に発生した転倒・転落件数/退院患者の在院日数の総和×1000

指標の説明
この指標は、低い値が望ましいとされています。

入院中の患者の転倒やベッドからの転落は少なくありません。原因としては、入院という環境の変化によるものや疾患そのもの、治療・手術などによる身体的なものなどさまざまなものがあります。

転倒・転落の指標としては、転倒・転落によって患者に傷害が発生した率と、患者への傷害に至らなかった転倒・転落事例の発生率との両者を指標とすることに意味があります。
転倒・転落による傷害発生事例の件数は少なくても、それより多く発生している傷害に至らなかった事例もあわせて報告して発生件数を追跡するとともに、それらの事例を分析することで、より転倒・転落発生要因を特定しやすくなります。こうした事例分析から導かれた予防策を実施して転倒・転落発生リスクを低減していく取り組みが、転倒による傷害予防につながります。
(公益財団法人日本医療機能評価機構 医療の質向上のための体制整備事業を資料とし引用しました。)
転倒転落によるインシデント影響度分類レベル3b以上の発生率ファイルをダウンロード
退院患者の在院日数の総和
もしくは入院患者延べ数(分母)
退院患者に発生したインシデント
影響度分類レベル3b以上の
転倒・転落の発生件数(分子)
転倒転落によるインシデント影響度
分類レベル3b以上の発生率
25151 1 0,04
計算式 退院患者に発生したインシデント影響度分類レベル3b以上の転倒・転落の発生件数/退院患者の在院日数の総和×100

指標の説明
この指標は、転倒転落対策の効果を評価し、さらなる安全対策を講じるためのもの転倒転落によって身体に損傷が加わり、手術や大きな処置が必要となる損傷レベルの高いものを指します。

入院中の患者の転倒やベッドからの転落は少なくありません。原因としては、入院という環境の変化によるものや疾患そのもの、治療・手術などによる身体的なものなどさまざまなものがあります。
転倒・転落の指標としては、転倒・転落によって患者に傷害が発生した率と、患者への傷害に至らなかった転倒・転落事例の発生率との両者を指標とすることに意味があります。
転倒・転落による傷害発生事例の件数は少なくても、それより多く発生している傷害に至らなかった事例もあわせて報告して発生件数を追跡するとともに、それらの事例を分析することで、より転倒・転落発生要因を特定しやすくなります。こうした事例分析から導かれた予防策を実施して転倒・転落発生リスクを低減していく取り組みが、転倒による傷害予防につながります。
(公益財団法人日本医療機能評価機構 医療の質向上のための体制整備事業を資料とし引用しました。)
手術開始前1時間以内の予防的抗菌薬投与率ファイルをダウンロード
全身麻酔手術で、
予防的抗菌薬投与が実施された
手術件数(分母)
分母のうち、手術開始前
1時間以内に予防的抗菌薬が
投与開始された手術件数(分子)
手術開始前1時間以内の
予防的抗菌薬投与率
145 145 100
計算式 分母のうち、手術開始前1時間以内に予防的抗菌薬が投与開始された手術件数/全身麻酔手術で、予防的抗菌薬投与が実施された手術件×100

指標の説明
現在、細菌感染を起こしていないが手術後の感染をできるだけ防ぐために、抗生物質をあらかじめ投与知ることを予防的抗菌薬投与といいます。
開胸、開腹を伴う手術等は、手術開始直前に抗菌薬を点眼などで投与することにより手術後の感染を抑えることが期待されています。
(公益財団法人日本医療機能評価機構 医療の質向上のための体制整備事業を資料とし引用しました。)

d2(真皮までの損傷)以上の褥瘡発生率ファイルをダウンロード
退院患者の在院日数の総和もしくは
除外条件に該当する患者を除いた
入院患者延べ数(分母)
褥瘡(d2(真皮までの損傷)以上
の褥瘡)の発生患者数(分子)
d2(真皮までの損傷)以上の
褥瘡発生率
24786 1 0.004
計算式 褥瘡(d2(真皮までの損傷)以上の褥瘡)の発生率/退院患者の在院日数の総和×100

指標の説明
褥瘡推定発生率:褥瘡は低栄養の患者さんが、長く寝込んでいたりするとできます。
病院に入院してから新たに発生した褥瘡の率を表しています。
指標の説明:低栄養の患者さんや一定の体の向きした取れない場合には褥瘡ができやすいので、このような患者さんが多い場合には率が高くなることがあります。
より低い値を目指しています。
65歳以上の患者の入院早期の栄養アセスメント実施割合ファイルをダウンロード
65歳以上の退院患者数
(分母)
分母のうち、入院後48時間以内に
栄養アセスメントが実施された
患者数(分子)
65歳以上の患者の入院早期の
栄養アセスメント実施割合
1413 1223 86.553
計算式 (分母のうち、入院後48時間以内に栄養アセスメントが実施された患者数/65歳以上の退院患者数)×100
※令和6年度診療報酬改定に準拠した運用により、分子の定義を変更しています。
    (変更前:分母のうち、入院3日目までに栄養ケアアセスメントが行われたことがカルテに記載された患者数)

指標の説明

早期に低栄養リスクを評価し適切な介入をすることで、在院日数の短縮、予後改善につながります。
令和5年の国民健康・栄養調査では、65歳異常の低栄養傾向にある高齢者の割合は男性12.2%、女性22.4%で特に85歳以上の割合が高くなっています。これは、65歳以上の患者のことの重要性を示すデータといえます。
65歳以上の低栄養傾向の割合は男女ともに高く、早期の栄養評価の必要性が示唆されています。
医療機関では、入院した患者に対して、入院後早期(7日以内)に栄養管理を開始した場合にその管理栄養士による栄養管理を評価。
早期栄養介入管理患者の算定対象となる患者に対し、入院後早期に栄養管理を開始する取り組みが行われています。
(公益財団法人日本医療機能評価機構 医療の質向上のための体制整備事業を資料とし引用しました。)
身体的拘束の実施率ファイルをダウンロード
退院患者の在院日数の総和
(分母)
分母のうち、身体的拘束日数の総和
(分子)
身体的拘束の実施率
25191 837 3.323
計算式 分母のうち、身体的拘束日数の総和/退院患者の在院日数の総和×100

指標の説明

身体的拘束は、制限の程度が強く、また、二次的な身体的障害を生じせしめる可能性もあるため、代替方法が見出されるまでの間のやむを得ない処置として行われる行動制限であり、できる限り早期に他の方法に切り替えるよう努めなければならないものとされています。施設や医療機関などで、患者を「治療の妨げになる行動がある」、あるいは「事故の危険性がある」という理由で、安易にひもや抑制帯、ミトンなどの道具を使用して、患者をベットや車椅子に縛る等の身体的拘束は慎むべきものです。
(公益財団法人日本医療機能評価機構 医療の質向上のための体制整備事業を資料とし引用しました。)
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